みなさんこんにちは。
ゴールデンウィークがやってきますね!
今年は例年より長いお休みの方々も多いのではないでしょうか?
そんなゆったり過ごせるお休みにオススメしたいのが、静岡県富士宮市にある富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんじんじゃ)で行われる「流鏑馬(やぶさめ)まつり」です。
流鏑馬を神社に奉納するお祭りなのですが、今からおよそ800年前、源 頼朝によって始められたと言われています。
歴史を感じる行事であることはもちろんですが、何より注目していただきたいのは目の前を馬が疾走していく、その馬に乗った状態で矢が放たれるという姿の美しさです。
今回はそんな流鏑馬まつりについて、お話ししていきたいと思います。
富士山本宮浅間大社での流鏑馬の概要は?
流鏑馬まつりは毎年5月4日~5月6日に行われます。
その期間中、流鏑馬の奉納が行われるのは中日の5月5日で、この日が「本祭」となります。
本祭は10:00の「馬場入り」から始まり、最後の「流鏑馬披露」が終わるのは16:00過ぎになります。
ざっくりいうと、10時から神事としての流鏑馬奉納、12時から富士宮市街地にて鎌倉時代の衣装を着た人が行列で歩く練行、15時くらいから浅間神社・桜の馬場で流鏑馬披露、といった感じです。
【流鏑馬祭りの様子】
流鏑馬まつりは、西暦1194年に源頼朝が富士山のふもとで「富士の巻狩り」を行った時に、浅間大社に流鏑馬を奉納したのが始まりと言われています。
800年以上続いている伝統あるお祭りで、毎年8万人もの来場者が訪れます。
「巻狩り」とは、貴族や武士が行楽や神事祭礼、軍事訓練のために行った狩りのことです。
鹿や猪がいる狩場を多人数で取り囲み、囲いを縮めながら獲物を追い詰めて射止める狩猟のことを言います。
「富士の巻狩り」は、源頼朝がたくさんの家来たちを集めて富士山のすそので行った壮大な巻狩りで、武家社会を作ろうとした源頼朝が軍事訓練と御家人披露の意味を込めて行ったと言われています。
この巻狩りが行われたときに、源頼朝の嫡男が初めての狩りに成功し矢口祭り(やぐちのまつり)が行われたり、曽我兄弟の仇討ちがあったりしました。
それらについても富士宮市を中心に遺跡が残っているので、巡ってみると楽しいですよ。
「陣馬の滝」や白糸の滝のすぐ隣にある「音止めの滝」など、マイナスイオン満載のきれいな水に癒されるスポットが「富士の巻狩り」や「曽我兄弟の仇討ち」の逸話にあふれています。
ぜひぜひ、お時間ある方は足をのばしてみてくださいね。
富士・富士宮は歴史的な史実や昔話がたくさんあります。
富士山本宮浅間神社に祀られている“木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)”も、かぐや姫のモデルになった女神様だと言われています。
少し離れた大淵というところこにかぐや姫ミュージアム等もありますので、興味のある方はぜひ!
流鏑馬祭りin富士宮の様子は?
流鏑馬まつりが行われる3日間の初日(5月4日)は、屋台や参拝、境内の散策を楽しみましょう。
この日には流鏑馬自体は行われず、15時ごろに本祭で走る馬たちの練習疾走が行われます。
目の前を走る馬の美しさを堪能するには、本祭よりも人の少ない初日がオススメです。
ただし、時間的には短時間なので見逃さないようにスタンバイしておくことが必要です。
そして翌日の5月5日本祭。
午前10時から神事が始まります。
まず楼門前の馬場を会場にして「浅間神社流鏑馬式」が行われます。
この儀式は、浅間大社流鏑馬保存会によって伝承されているものです。
流鏑馬奉納が始まった800年前には主催者やその御家人(家来)による武術披露的な要素が強かったと言われていますが、現在は神事的な意味合いで行われています。
流れとしては以下のようになります。
②馬改め(馬改め役が5騎の馬をチェック)
③次第書読み上げ(祢宜”ねぎ“と呼ばれる進行役のような人が射手のやることを読み上げる)
④馬場見せ(馬たちに馬場を見せるため5騎が順番に馬場を1回走る)
⑤上状・問いの行事(射手代官が神事に奉仕する射手の名前を呼んで祢宜が確認する)
⑥行ない(天、地、四方に弓を構えて魔を払ってから矢を馬上から射る)
⑦本乗り(1騎ずつ馬場を駆け抜けながら的を射る)
これが流鏑馬奉納の開始儀式になります。
この儀式の後は、12時ごろから14時くらいまでかけて鎌倉時代の衣装に身を包んだ100名ほどが富士宮市街を練り歩きます。
行列には馬も加わり、鎌倉時代の武家社会を思わせるシンプルだけど、武士としての粋を漂わせる衣装や雰囲気楽しむことができます。
そして練行の後、15時頃から行われるのが小笠原一門による流鏑馬奉納です。
15騎ほどの射手が馬を走らせながら的2カ所に向かって矢を放ちます。
大勢の観客に興奮している、しかも走っている馬の上から矢を放つので外れることもありますが、両手を離して矢を構える姿はとても凛々しいです。
人を乗せている馬の速さにも驚かされますよ!
流鏑馬を神社で観るのならどこで観るのがおすすすめ?
流鏑馬を神社で見るなら、馬場に設置される青い幕のやや東側がオススメです。
なぜならば、流鏑馬のときは東から西に向かって射手を乗せた馬が走り、青い幕のところに設置された的を射抜くことになっています。
ですので、走ってくる姿射手と馬の姿をながめて、その馬が通り過ぎる時に弓を構える射手を見上げて、放たれた矢が的を射抜く瞬間も見えるのです!(筆者の個人的見解です笑)
少し離れた高い位置から見たいところですが、そのような場所はないので青い幕を基準に場所を検討されることをオススメします。
そして、流鏑馬はまつり期間中最大のイベントなので、来場者が殺到します。
場所取りを早めにしないと、人の背中と頭しか見えない状況になってしまいますので、確実に一番前で見たい!という方は、12時から行われる練行は商店街あたりまでみて、そのまま場所取り、という流れをオススメします。
なにせ流鏑馬を見ながら、多くの観光客の方々がカメラを持った手を上にあげているので後ろに行くと本当に見えないんです。(筆者の身長は164㎝)
海外の方で、早い時間から場所取りするという方は多くないので、とにかく早めの場所取りをオススメします。
そして、地元のお祭りを多くの方に見ていただきたい筆者としては、最前列やその後ろに場所が取れた方々には、後ろにもお祭りを見に来ている人がいて、その人たちも皆さんと同じようにお祭りを楽しみに来ていることを忘れないでいただきたいな、と思います。
前にいる方が腕をのばしたり、立ったままカメラを構えたりすれば、後ろにいる方々はその分視界がさえぎられてしまいます。
「それなら早く来て場所を取っておけばいい」という方もいると思いますが…。
それも確かにそうなのですが…。
少しだけ考えてみてください。
射手の方々はこの日のために、一年間練習を積んで本祭に臨んでいます。
そしてそもそも、流鏑馬は神様に奉納されるものであり、見世物ではありません。
本来であれば見ることも叶わなかったお祭りです。
それをせっかく見られる機会を得たのですから、一人でも多くの人とその場でシェアしませんか?
写真を撮って遠方の方にお祭りの魅力や迫力を知ってもらうことも大事ですが、同じ時間に同じものを楽しむ者同士で「気遣い」や「思いやり」をぜひぜひシェアしていただきたいと思います!
地元民ならではのプチ情報!
あ、そうそう。
余談なんですが、先ほど「東から西に向かって馬が走る」と説明しましたが、この表現を聞きなれない方多いですよね。
地元だと当たり前のように道や場所を説明するときに方角を用います。
ワタシも県外の友人に指摘されて気がついたのですが。
静岡県東部では、看板にも「北に○○km」とか「南に直進」と書いてあります。
それはなぜか。
静岡県東部では、富士山が見える方向が北だからです。
富士山本宮浅間神社内の放送などでも耳にすることがあるかもしれません。
境内で富士山が見えるのは本殿の後ろ側なので、本殿に背を向けて見た方向は南、ということになります。
馬場は楼門前を東西につっきっているので、本殿のある北側、鑑池や流鏑馬像のある南側に挟まれていることになります。
本当に当たり前に方角で場所の説明をされるので、初めて富士宮にいらっしゃる方は富士山が隠れているときは「富士山ってどこに出るんですか?」と聞いてくださいね。
真冬にはだいたい顔を出している富士山ですが、GWから夏休みあたりは雲の中に隠れがちです。
流鏑馬と富士山、両方が来場者の方々を楽しませてくれますように。
まとめ
いかがでしたか?
流鏑馬まつりは地元の人も多く集まる盛大なお祭りです。
また、富士山本宮浅間神社の周りには道をはさんで向かい側に富士宮焼きそばを楽しめる「お宮横丁」、お宮横丁を抜けていったところにはインスタグラムでも有名な「富士山世界遺産センター」など、楽しめるところがたくさんあります。
まとまったお休みを生かして、富士宮でのんびり過ごしてみませんか?
お待ちしております!